ワイワイ! Fluentd Advent Calendar 2013 6日目担当の @niku4i です。
今日はFluentdのマルチプロセス化について。最近公式ページに Multiprocess Input Plugin がドキュメント化されました。
Fluentdはシングルプロセスで動作するため、マルチコアなサーバ環境下では全コアのCPUを消費できません。Fluentd1プロセスでも小〜中規模の環境であれば十分さばけますが、大規模環境ではCPUが足りなくなります。そこでCPUを効率的に使うため、一昔前までは起動スクリプトをコア数に応じて用意しマルチプロセス化するといった手法を用いていましたが手軽にはできませんでした。
そこで最近登場したのが @frsyuki さん作の Multiprocess Input Plugin です。ネット上に試した記事がなかったので試してみました。
Fluentdは0.10.41を使っています。gemコマンドでインストールしました。
インストール
Fluentdのコアプラグインではないので、fluent-gemコマンドを使ってインストールします。
#install
$ fluent-gem install fluent-plugin-multiprocess
なお、td-agent版の場合はコマンドのパスが通っていないので以下のとおりインストールしてください。
#install
$ /usr/lib64/fluent/ruby/bin/fluent-gem install fluent-plugin-multiprocess
コンフィグレーション
今回は4プロセスでそれぞれ24221〜24224/TCPでListenし受信したメッセージを標準出力に書き出す設定を作りました。書き出し部分は全プロセス共通なので include
で1つにまとめました。非常に簡単な設定例なので面白みがないですが実際はinclude先にout系の設定を入れていくことになります。
#/etc/fluent/fluentd.conf
<source>
type multiprocess
<process>
cmdline -c /etc/fluent/fluentd_child1.conf
sleep_before_start 1s
sleep_before_shutdown 5s
</process>
<process>
cmdline -c /etc/fluent/fluentd_child2.conf
sleep_before_start 1s
sleep_before_shutdown 5s
</process>
<process>
cmdline -c /etc/fluent/fluentd_child3.conf
sleep_before_start 1s
sleep_before_shutdown 5s
</process>
<process>
cmdline -c /etc/fluent/fluentd_child4.conf
sleep_before_start 1s
sleep_before_shutdown 5s
</process>
</source>
cmdline
にマルチプロセス化した時の子プロセスに読み込ませるコンフィグファイルを指定します。このコンフィグは以下のように記述します。
#/etc/fluent/fluentd_child1.conf
# Receive events from TCP port
<source>
type forward
port 24221
</source>
# Include common configurations
include conf.d/*.conf
fluentd_child[2-4].confのコンフィグ掲載は省略しますが port
の番号のみ変更します。
includeしたコンフィグで出力を定義しました。
#/etc/fluent/conf.d/match_all.conf
# Output messages to STDOUT
<match **>
type stdout
</match>
起動
今回はコマンドラインから起動します。
$ fluentd -c fluent/fluentd.conf
起動ログを見ると親fluentdプロセスが子fluentdを立ち上げていることが分かります。
#起動ログ抜粋
2013-12-05 08:45:30 +0000 [info]: launching child fluentd -c /etc/fluent/fluentd_child4.conf
netstatコマンドを使って確認しました。確かに4ポートでListenしています。
$ sudo netstat -anpt | grep -e ruby -e Proto
Proto Recv-Q Send-Q Local Address Foreign Address State PID/Program name
tcp 0 0 0.0.0.0:24221 0.0.0.0:* LISTEN 25160/ruby
tcp 0 0 0.0.0.0:24222 0.0.0.0:* LISTEN 25143/ruby
tcp 0 0 0.0.0.0:24223 0.0.0.0:* LISTEN 25126/ruby
tcp 0 0 0.0.0.0:24224 0.0.0.0:* LISTEN 25108/ruby
追記: -i オプションによる動的リッスンポート切替
2013/12/19 追記
あまり知られていないですがFluentdには-i
という起動オプションがあり-i
に続いてコンフィグを記述することができます。以下のようにすればinput forwardでリッスンするポートをプロセス毎に変えることができます。ポート番号などプロセス固有の設定は-i
で渡すことで同じ設定ファイルで異なる挙動ということも実現できますね。
<source>
type multiprocess
<process>
cmdline -i "<source>ntype forwardnport 20000n</source>" -c /etc/fluentd/fluentd.conf
sleep_before_start 1s
sleep_before_shutdown 1s
</process>
<process>
cmdline -i "<source>ntype forwardnport 20001n</source>" -c /etc/fluentd/fluentd.conf
sleep_before_start 1s
sleep_before_shutdown 1s
</process>
<process>
cmdline -i "<source>ntype forwardnport 20002n</source>" -c /etc/fluentd/fluentd.conf
sleep_before_start 1s
sleep_before_shutdown 1s
</process>
<source>
まとめ
Multiprocess Input Pluginにより簡単にマルチプロセス化することができました。
気になる安定性などに関して、Fluentdのメーリングリスト上の議論 によると 10+ billion records / day 環境下に投入しているユーザ事例もあるようです!
話はそれますが、Fluentdを使っている人やこれから使ってみようという人は Fluentdのメーリングリスト にjoinすることをオススメします!(自分はもっぱら読むだけ専門ですが) メールは基本英語ですが流し読みするだけでも有益な情報を拾えたり、リリース状況をタイムリーに知ることができます。また、最近では海外のエンジニアの間でも知られるようになってきており、海外でのユースケースなど知れるかもしれません。個人的には英語の勉強にもなるので両得だとおもっています。コミュニティについては@tagomorisさんのFluentdとはどのようなソフトウェアなのかの中で詳しく書かれていますね。
またFluentdの-i
オプションを紹介しました。
簡単ではありましたが以上です。
すごい知った風でしたがgemの使い方を紹介しただけでした。最近Fluentdにふれる機会がなかったので、ユースケースを開拓してFluentdを積極的に使ってアウトプットしていきたいですね。
次は、@yteraoka さんです!